2008/12/21

送別会にて1

先日、私の上司でもあり部下でもあり、たまには先輩であり、たまには後輩であった方が退職することが決まった。簡単に言えば、仲間とでも言うのだろうか。とにかく、最も一緒に仕事をしてきた私が幹事となって彼の送別会を開くことになった。

普通の社内の異動とは当然違うし、何しろ十数年という決して短くはないであろう月日を過ごしてきた会社を去るのだから、少しばかりの気持ちを込めて送り出すのが礼というものだろう。

そこで私は贈り物をすることに決めた。私が人に贈り物をするというのは、今年の母の日以来ではなかろうか。私は存外にずぼらな性格であるからして、とにかく記念日や記念品といったものを贈るにあたって、ずぶの素人と言っても過言ではないのである。

さて、何を贈るべきか。

私は考えた。三日三晩考えた。正確には27時間ほどであったと記憶しているが、何しろ人の記憶は曖昧であるので、表現も三日三晩とした方が都合が良いのである。そして、私は答えを得た。

さて、当日の会場は、彼の性格も考慮して、静かな飲み屋を選ぶことにした。隠れ家的な飲み屋であり、前を通ったぐらいでは、ホウムズのような注意深い人間でも無い限りその存在に気づくことはない。

案の定、店の場所がわからないだの、道に迷った、などの苦情の電子メールが私のIPHONEのメモリ上にストアされることになったが、私は、彼への花束を買うために、花屋にて奮闘していたため期待に添えることができなかった。しかし、私は信じてもいた。彼らなら必ず見つけ出す。彼らは私などよりも遙かに注意深く、思慮深く、それでいて大胆不敵でもある、つまるところ優秀の二文字で表すことが可能な人達だからだ。だから、私は目の前の勤めに集中した。

さて、大きな花束を両手に抱えて、少しばかりの照れ笑いを浮かべながら私は会場へと向かった。どうして、花束をもつと、こう照れくさいのであろうか。私は、花が似合う男子になりたかった、と刹那考えてもみたのだが、私の右脳のニューラルネットはその想像をイメージ化するほどには、クラスタが発達していないようだった。第一、どういった男子が花が似合うというのだろう?少女漫画の美形男子であろうか?疑問は尽きず、私のアタマは「そも花が似合うとはどういうことなのか」といった、哲学的な香りがするようなしないような無意味な思考に支配されていた。

さて、数分歩いて到着した会場には、既に参加者が集まっており、空気が暖まっていた。さすがである。私は思わず「ブラァボゥ」と呟いたほどだ。そういった前提で、私は会の開催を宣言し、しばしご歓談の程をよろしくお願いした。

人に歴史あり。十数年という年月は、星や生命の進化に比べれば一瞬であるが、我々人間にとっては、それで人生が大きく変わってしまうほどの年月とも言えるだろう。我々は昔話をし、武勇伝を聞き、そしてこれからの事を話した。彼のカレーライス武勇伝については、機会があったら、また書くことにしよう。いやはや、やはり彼はすごかったのだ。

さて、退職ともなれば、当然、転職先はどういったところなのか、といった興味は誰しもあるだろう。当然、この会社を辞めて次はどこへ行くというのか、いつ決めたのか、なぜ辞めようとおもったのか、といったおきまりのクエスチョンが発せられた。詳細はプライベートを考慮して省く。ただ、彼は、転職先については明かさなかった。しかしながら、これまでの経験はあまり生かせることは無いが、それでも彼個人のスキルが生きる職種であると語った。心配ではあるが、今後の彼を信じることにしよう。それ以外に何もできない。

さて、最後に花束と贈り物を渡すことになった。これは、私のような腕毛が生えているおじさんよりも、女性に渡してもらう方が良いと思い、我が部の紅一点に頼むことにした。勿論、こういったことを性差別と受け取る方も居られるから、「いやならやらなくていいんですよ」と一言付け加えることも忘れない。彼女は空気を読むスキルが高いともっぱらの評判であったからだろうか、快諾してくれた。

2008/12/18

ビッグスリー救済法案が棄却された理由

救済法案が棄却された理由がよく分からなかったので、探してみた。

下記の記述が分かりやすい。ちょっと長文になるけど引用します。

 

quoted from:「ビッグスリーを"国鉄"と考えると分かりやすい」~米上院はどうして救済法案を白紙に戻したのか:NBonline(日経ビジネス オンライン)

小林:反対論のコアは非常に簡単、明快ですよ。

「経営上の基本的な問題を解決しなかったら、何度救済しても、アメリカの自動車メーカーは生き返らない」

これです。

 

現在の体制のままで再生はできない、と言う点では、アメリカの代表的なプライベートエクイティ(PE)ファンド、サーベラスが8割の株式を握るクライスラーは、もっと深刻ですね。PEファンド・金融主導によるメーカー再生はなかなかうまくいかない。彼らは基本的に短期収益志向だから、企業が持っている価値を抜き出して現金化するだけ。或いは、様々な手段を使って安く買い、つまり売り手が安く売らざるを得ないような状況に追い込んで、買った時点で儲ける。そして高く転売して、買った時の儲けを実現する、といったことが多くて、なかなか価値を生み出せない。

そういうことが分かっているから、(ファンド側を)痛い目に逢わせて、引っ込ませようとしている雰囲気もあるんです。「株主はほとんどがPEファンドの投資家、つまり富裕な個人が中心。だったら自分達の資金で何とかしろ」という冷淡な眼が米国には結構ありますね。サーベラスによる議会や政府へのロビー活動は、現在も凄まじいらしいです。影響力を背景に政治力に頼る姿勢が強烈で、それがまた反発を呼んでいる。

 

アメリカで日本やドイツの自動車メーカーがうまくいっているのは、経営側の技術・品質志向と効率的な経営、労使の協調姿勢、株主の長期的経営視点が大きな要因でしょう。米国の労働組合は年功序列だから、人員削減では若い人から解雇され、中高年の労働者が残ってしまう。だから、UAWの支配を弱め、経営をもっと長期的・技術志向・効率的にして、品質の高い車を低コストで製造できる競争力のある体制にすることが必要。

つまり株主・経営者・労働者を全て巻き込んだ構造改革が必要、という認識が、救済否定派にはあるわけです。そのような構造改革計画が出てきてから救済資金を出すべき。先に救済資金を出して、構造改革計画が出てくるのを待つのは、順番が逆。何も出てこないに決まっている、こういうことです。



 

アメリカってこういうところが合理的で素敵ですよね。潰れるべき会社は潰れろ、と。

でも、そのこと(ビッグスリーが経営的に問題を抱えている)を認識している国民も少ない、と。こうなると、よく分からないですね。主張が直接支持率に響く訳ではないのかしら?

「本質を解決しよう」というのは、どうしても話が難しくなりがちで、そして、難しい話はあまり聞いてくれないし、あんまり深くも考えてもらえないので、結構、国民の支持を得るのは難しいんじゃないかなーとか思うんですよね。そこらへんは、プレゼンテーションの技術でカバーするのかもしれないですけど。

というわけで、ちょっと反対派の人の演説を見てみた。

「いいか、今投入したカネは、絶対に戻ってこない!1ドルたりともだ!カネをゴミ箱に捨てる行為を見過ごす訳にはいかない!」

うん。確かに分かりやすい。なんか知らんけど、すげぇ勿体ないことをするような気がしてくる。

2008/12/17

iPhoneで新聞



quoted from:iPhoneでその日の産経新聞を! 新サービス開始 (1/2ページ) - MSN産経ニュース

米アップルの携帯電話「iPhone(アイフォーン) 3G」上で当日の産経新聞(東京最終版)がそのまま読めるサービス「産経新聞iPhone版」の配信が始まった。日刊紙の紙面を丸ごと再現し、iPhone上で配信するサービスは世界で初めて。

画面を指先でつまんだり叩いたりして文字の大きさなどを自在に操作できる。利用するには、アップルが運営するiPhone向けソフト販売サイト「アップストア」へ。音楽プレーヤー「iPod touch」にも対応している。


とうとう、ここへと進出したのはどういう戦略なのか。新聞の料金収入はどのように変遷しているのだろう?広告収入で生きていくのか?

という、疑問はさておいて、さっそくダウンロードして使ってみたヨ。

少し重いというか、拡大縮小時に処理落ちすることを除けば、思っていたより快適に新聞が読める。

もちろん、個々の記事に限って言えば、紙に比べれば解像度が低いので、新聞をそのまま配信されても、若干使いづらいというか、まぁ、どうやったって読みにくい。でも、新聞の良い面(と個人的に思っている)全体的にボンヤリと内容を把握する、という面に関してはこれで良いと思う。個々の記事については、WEBで確認すれば良い訳で、それこそiPhoneにはちょうど良い。そう考えると、「テキストを選択してGoogle検索」なんて機能があれば、個人的には喜ぶ。キャッキャウフフ。

これ、iPhone側で、ページ表示時間と拡大縮小されたエリアあたりを記録しておいて、それを集めれば、記事の熟読度が分かって、マーケティングに・・・まぁ、そういう話は置いておくとしましょう。

ともあれ、無料で新聞が読めるというのは、なんだか、とても感動する。NewYorkTimesのRSS配信が有料で、全然読む気がしなかったのだけど、産経は思い切ったというかなんというか。