2009/10/22

書評 「子どもの最貧国・日本」

いろんな人に読んで欲しい本です。読むととても憂鬱になりますが。

quoted from:子どもの最貧国・日本 学力・心身・社会におよぶ諸影響 山野良一著 | 書評 | 投資・経済・ビジネスの東洋経済オンライン

子どもの最貧国・日本 学力・心身・社会におよぶ諸影響 山野良一著


[+]画像拡大

OECD26カ国を対象にしたユニセフの調査「子ども貧困リーグ」で、日本は2000年時点で7人に1人が貧困で10番目に子ども貧困率が高い。国内の経済状況を考慮すれば、その後もさらに厳しい数字になっていることは想像に難くない。実は子どもの貧困は先進国でも大きな社会問題で、各国政府はさまざまな対策を講じている。しかし日本の政府は無策であるばかりか、貧困の存在すら認めようとしないという。

著者は米国の児童保護局でも働いた経験を持つソーシャルワーカー。現場での体験や海外のデータ(日本には子どもの貧困に関する調査データがない)を基に、「貧困大国」となりつつある日本の現状に警鐘を鳴らす。


 

本書では、データを提示→各国との比較→統計的な処理→解釈

という、割とまっとうな理論展開されており、いわゆる「論文」を普通の人が読みやすいように「読み物」としようと努力したように見える。とても読みやすい。

とりあえず、読んだ私は現状を認識したのだが、個人的に何ができるのか、というと、まぁ、この本を薦めるぐらいしかできない。ので、紹介。

久しぶりに書籍を読んで、「憂鬱」というか「申し訳ない気持ち」になった。某先生が「知らないことはそれだけで罪なんだ」と言ってたことを思い出す。

知らなくて、知ろうとしなくて、ごめんなさい、と誰に言うでもないけど思う。

もちろん、同情も憐憫もそれこそ、大きなお世話なんだろうけど、それでも、やっぱりこの状況、つまり日本の貧困の実態はどうにかしないと、非常にマズい気はする。特に、日本の片親家庭(主に母子家庭と考えられる)の貧困率は50%を超えていて、その高さは、ある種異常事態であること、これだけでも知っておかなくてはならない。

知っていれば、視点がもっとぐっと、具体的になると思う。

知らなければ、話にもならないんだと思う。

例えば、世の中では、母子加算の復活に種々の議論、やれ賛成だ、やれ反対だ、だのがあるけど、日本の貧困問題の実態は、そもそも、そんなレベルの話ではない。

「もうお米が無いけど、これからご飯どうしようか・・」という人の周りで「この食材は健康にいいんですよ」「いやいや、それはあまり効果が無いという説もあります」「あまり安く売ると、転売する奴も出てきますから」なんてしたり顔で議論しているようなもので、なんというか、そう、まったくお話にならない。

そういう意味で、一律のこども手当て給付、という施策は、なんとも無駄で馬鹿馬鹿しくて、そして小馬鹿にしている。

やるべきことをやる、それだけなんだろうけど。

0 件のコメント: